- 歯の豆知識 目次
どこの歯が痛いのか当てるのは難しい
歯が痛むとき、「右上の奥歯がズキズキする」など、自分では痛みの場所がはっきり分かっているように感じるかもしれません。
ところが実際に歯科で診察を受けると、思っていた場所と違う歯に原因が見つかることは珍しくありません。
これは、歯の痛みの感じ方に「特有の性質」があるためです。
歯の神経は非常に複雑で、上下左右の歯が神経の通り道でつながっていたり、
脳に伝わる際に痛みの信号が混ざってしまったりすることがあります。
そのため、実際に悪いのは奥歯なのに前歯が痛く感じたり、
右側が原因なのに左側に響いたりする「関連痛(かんれんつう)」が起こるのです。
さらに、虫歯や歯周病だけでなく、歯ぎしりや噛み合わせの不調、
さらには副鼻腔炎など口以外の病気が歯痛のような症状を引き起こすこともあります。
このように歯の痛みは必ずしも「感じた場所=原因の場所」とは限りません。
そのため、「痛む歯を自分で当てて治療してほしい」と思っても、
実際には診察やレントゲン検査などを行わなければ正確な診断は難しいのです。
もし歯に違和感や痛みを感じたら、自己判断で様子を見続けるのではなく、
早めに受診することをおすすめします。
痛みの原因を正しく突き止めることで、適切な治療が行え、症状の悪化を防ぐことができます。